Claude Codeの仕組み講座(講師のためのエンジニア水準)

区分5 自分で作る(エンジニア水準)★★★

No.18 卒業課題:講義5分と、作って動かす

卒業課題です。新しく覚える物は無く、これまでの単元をあなたの言葉に変える最後の仕上げです。前半は5分の講義と想定質問10個、後半は No.16 か No.17 の物を1つ作って動かします。この単元はしっかりやります。読むだけでなく、声に出して、実際に動かしてください。
目次
  1. 第0章 前提知識
  2. 第1章 前半:5分の講義を作る
  3. 第2章 前半:想定質問10個を作って答える
  4. 第3章 後半:作って動かす
  5. 確認問題

第0章 前提知識

① 卒業課題 :知っていることを、人に説明できる形にして、動く物も1つ作る

この講座のゴールは、2つありました。 受講生に講義できて、「なぜそう動くのか」の質問に仕組みから答えられること。 そして、小さなエージェントかMCPサーバーを自分で作れることです。

卒業課題は、そのまま2つに分かれます。

課題 やること 卒業の目印
前半 仕組みを1つ選んで5分の講義をし、想定質問10個に仕組みから答える 台本が書けて、声に出して5分前後で話せる。10問に答えの芯を言える
後半 No.16 か No.17 の物を1つ作って動かす 動いた証拠を見せられる(第3章)

たとえ話にします。 講師の免許を取る試験で、「教科書の内容を説明する筆記」と「実際に1コマ授業をやる実技」を両方受けるのと同じです。

この単元の言葉を、先に3つ説明します。

② 講義と質問対応は、使う力が別

5分の講義は「流れを作る力」、質問対応は「仕組みに戻る力」です。

講義は準備できます。 質問は予想できても、聞かれ方は毎回違います。 だから10個を暗記するのではなく、どんな聞かれ方でも、仕組みのどの層に戻れば答えが組み立てられるかを身に付けます。 これが第2章の中心です。

第1章 前半:5分の講義を作る

① 題材を1つ選ぶ 必ず覚える

選ぶのは、区分1〜4の中の仕組み1つです。 区分とは、講座の単元をまとめた分類のことです。区分1はAIの動き方の芯(No.01〜04)、区分2はコンテキストとトークン(No.05〜07)、区分3は拡張の仕組み(No.08〜12)、区分4は安全と設定(No.13〜15)です。No.16〜18 は区分5で、ここは作る側に回ります。 迷ったら、次の条件で決めます。

向いている題材の例:

5分で言い切れる量は、思ったより少ないです。 1つの図を、1つの実例で見せる。これで5分は埋まります。

② 台本の型 必ず覚える

台本は、次の4つの順番で作ります。

順番 時間の目安 中身
つかみ 約30秒 受講生が「あるある」と思う場面を1つ。問いを置く
図 約1分30秒 仕組みを、矢印の図1枚で説明する
実例 約2分 同じ図を、本物の場面に当てはめて見せる
よくある質問 約1分 出そうな質問を1〜2個、先に自分で答える

この順番には理由があります。

つかみで「自分の問題だ」と思ってもらい、図で全体の形を渡し、実例で図が本物だと確かめてもらう。 最後に質問に先回りすると、講義のあとの質疑がぐっと楽になります。

時間は目安です。日本語は、ふつうの話す速さでだいたい1分に300字前後と言われます(目安です)。 5分なら1,500字前後です。台本は、それより少し短めに書くと、実例を見せる余裕ができます。

③ 台本の見本(骨子) さらっと

題材を「エージェントの繰り返し」にした場合の骨子です。 事実は、公式の「How the agent loop works」で確かめた内容を使っています。

図は、文字の矢印で十分です。 受講生に見せる時は、図を1つ描いたあとに、実際の画面で同じ流れを見せると伝わります。

④ 練習のしかた さらっと

声に出して、時間を測ります。

AIに受講生役をさせると、自分では気づかない専門用語の使いすぎが見つかります。

第2章 前半:想定質問10個を作って答える

① 質問の作り方 必ず覚える

想定質問は、思いつきで並べると偏ります。 次の3ステップで作ります。

  1. 区分1〜4から、それぞれ2〜3個ずつ選ぶ(全体で10個)
  2. 「使い方」ではなく「なぜ」の形にする。例:「CLAUDE.md の書き方は?」ではなく「CLAUDE.md に書いたのに守らないことがあるのはなぜ?」
  3. 受講生が実際に困る場面から作る。自分や受講生の「止まった」「忘れた」「高くなった」を材料にする

「なぜ」の形にするのは、この講座が仕組みの講座だからです。 使い方の質問は検索すれば答えが見つかります。「なぜ」の質問に答えられることが、講師の価値です。

② 答え方の型 必ず覚える

答えは、次の順番で組み立てます。

順番 中身 例の言い方
1 結論を1文で 「忘れたのではなく、古い会話が要約に置き換わったためです」
2 仕組みのどの層の話か 「会話は作業机(コンテキスト)に全部載っていて、いっぱいになると要約されます」
3 実物で確かめる方法 「画面の /context で、今の中身が見られます」
4 手を打つ方法(あれば) 「消えてほしくない決まりは CLAUDE.md に書きます」

そして、もう1つ大事な型があります。 知らないことは、知らないと言い、確かめ方を言う。

「その数字は版で変わるので、公式の最新を確認します」と言える講師は、信頼されます。 この講座で数字を「2026年10月時点の公式」と書いてきたのは、このためです。

③ 想定質問10個の見本 必ず覚える

次の10個は、見本です。 自分の受講生と自分の経験に合わせて、入れ替えてかまいません。 「答えの材料」の列は、答えを組み立てる時に開く単元です。

区分 想定質問 答えの材料
1 同じ質問をしても、答えが毎回少し違うのはなぜ? No.01
1 AIが勝手にファイルを読んだり、コマンドを動かしたりするのはなぜ? No.02
1 CLAUDE.md に書いたのに、守らないことがあるのはなぜ? No.03、No.08、必ず守らせたい物はフック(No.10)か deny ルール(No.13)
2 長い会話の最初に言ったことを、忘れるのはなぜ? No.05、No.06
2 料金や利用上限が、思ったより早く減るのはなぜ? No.07
3 スキル・フック・CLAUDE.md は、どう使い分ける? No.08〜10
3 MCP をたくさん入れると、何が困る? No.11
3 サブエージェントを使うと、何が得になる? No.12
4 自動で動かすと、許可で止まるのはなぜ? No.13、No.14、自動実行での許可の扱いは No.16
4 設定を書いたのに効かないのは、なぜ? No.15

最初から10問を完璧に答えようとしなくて大丈夫です。 まず「どの単元の、どの層に戻れば答えが組み立てられるか」が言えれば、それが合格ラインです。

④ 答えの見本2つ さらっと

型に沿って、2問を実際に答えます。 事実は、公式の「How the agent loop works」で確かめた内容です。

Q:長い会話の最初に言ったことを、忘れるのはなぜ?

Q:MCP をたくさん入れると、何が困る?

第3章 後半:作って動かす

① 1つ選んで作る 必ず覚える

次のどちらか1つを選びます。

選ぶ物 向いている人 作る物の例
No.16 の物 自分の定型作業を、プログラムから呼びたい claude -p で動かす短いスクリプト、または Agent SDK の小さなエージェント
No.17 の物 自分の仕事の道具を、AIに貸したい 道具1つのMCPサーバー

選ぶ時の条件は、どちらも同じです。

作り方は、AIに任せてかまいません。 頼み方の例:「No.17 の手順で、MCPサーバーを1つ作って。道具は『◯◯』1つだけ。1行ずつ何をしているか説明して」

大事なのは、AIが書いたコードを自分の言葉で説明できることです。

② 動いた証拠をそろえる 必ず覚える

「できました」は、実物で確かめてから言います。 次のチェックリストで確かめます。

No.16 の物(claude -p / SDK)を作った場合

No.17 の物(MCPサーバー)を作った場合

全部にチェックが付けば、作る課題は合格です。 1つでも付かなければ、そこが次に直す所です。

③ 作った物を講義の題材にする さらっと

動いたら、その物を5分講義の実例に使えます。 「作って分かったこと」を3つ書き出して、講義の実例に入れます。 例:

これで、前半の5分講義と、後半の作った物がつながります。 講義の中で「実は自分で作ってみたのですが」と言えることが、講師としての裏付けになります。

○ 受講生によく聞かれる質問 1:「講師なのに、コードが書けなくてもいいのですか?」
答え方:書くのはAIに任せられます。この講座は、何が動いているかを判断して説明できる人を目指しています。作った物を1つ自分の言葉で説明できれば十分です
○ 受講生によく聞かれる質問 2:「質問に答えられなかったら、どうすればいいですか?」
答え方:知らないと言って、確かめ方を言います。「公式で確認して、次回までにお答えします」で十分です。仕組みの層(コンテキスト・道具・許可・設定のどれか)に戻れれば、半分は答えです
○ 受講生によく聞かれる質問 3:「講座の内容は、新しい版が出たら古くなりませんか?」
答え方:数字や画面は変わります。考え方(繰り返し・層・順番)は変わりにくいです。数字は「2026年10月時点の公式」と添え、最新は公式で確認する、と言い添えます
○ 関係する単元:区分1〜4の各単元/No.16 -p と SDK/No.17 MCPサーバー

5分講義は「つかみ→図→実例→よくある質問」。想定質問は「なぜ」の形で10個、答えは「結論→仕組みの層→確かめ方→手を打つ」。作る課題は、動いた証拠をチェックリストで確かめる。

確認問題

問1 5分の講義の台本を作ります。順番として合っているのは?

問2 想定質問を作ります。次のうち、この講座が目指す質問の形に近いのは?

問3 講義のあとに、数字(上限の値など)を聞かれて、はっきり覚えていません。講師としてどう答えるのがよい?

問4 MCPサーバーを作りました。「動きました」と言うために、本文のチェックリストで最も確かな証拠は?

出典:Claude Code 公式ドキュメント「How the agent loop works」(https://code.claude.com/docs/en/agent-sdk/agent-loop)「Run Claude Code programmatically」(https://code.claude.com/docs/en/headless)「Connect Claude Code to tools via MCP」(https://code.claude.com/docs/en/mcp)「Commands」(https://code.claude.com/docs/en/commands)、MCP 公式「MCP Inspector」(https://modelcontextprotocol.io/docs/tools/inspector)/区分1〜4(No.01〜15)と No.16・No.17 の内容を組み合わせた手順。2026-10-13 に確認